翻訳|intermezzo
イタリアのルネサンス期,15世紀から16世紀にかけて盛んに演じられた〈間(あい)狂言〉とも称すべき寸劇で,まじめな主題を扱った劇やオペラの幕間に演じられた。〈中間の〉を意味するラテン語から転化したイタリア語。軽快な,喜劇的要素を含み,最初期には音楽的性格が強かった。のちには神話や伝説に題材を取ったものが多くなり,独立した演劇の一形態をなすにいたった。イギリスのインタールード,フランスの〈アントルメentremets〉,スペインの〈エントレメスentremés〉なども同様の演劇形式である。ただし,エントレメスは17世紀まで盛んに演じられ,セルバンテス,ローペ・デ・ベガなどもこの形式の作品を書いている。なお,音楽用語としてのインテルメッツォについては〈間奏曲〉の項を参照されたい。
執筆者:安東 伸介
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曲の種類の名。時代により内容が異なる。
(1)16世紀を中心に行われた幕間(まくあい)の音楽。喜劇や悲劇の幕間に、観客の気分を変えるために演奏され、しばしば田園風や神話風の物語を歌い演じた。15世紀末に始まり17世紀に至るまで、おもにイタリアで行われた。1539年と89年にフィレンツェで上演されたものはとくに名高い。インテルメディオintermedioともいう。
(2)18世紀にイタリアのオペラ・セリアの幕間に行われた音楽喜劇。まじめなオペラに対し、滑稽(こっけい)な性格をもち、18世紀前半にはオペラ・ブッファとして独立したが、その契機となったのはペルゴレージの『奥様女中』(1733)である。フランスではアンテルメード(バレエを中心に音楽を伴うもの)として独自の展開をし、スペインではインテルメッツォからトルナディーリャ(民衆の姿を描いて風刺に富んだ小規模な喜歌劇)が生まれた。
(3)19世紀の器楽曲における挿入的な短い楽章。また、ブラームスの作品に代表される、ピアノ曲などにつけられた叙情的な器楽の小品名。
[今谷和徳]
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…(3)劇やオペラの幕間に奏される劇間音楽で,通例,器楽曲。17世紀後半以降,インテルメッツォintermezzo,アクト・チューンact‐tune,アントラクトentr’acteなどの名でも呼ばれ,シューベルトの《ロザムンデ》,メンデルスゾーンの《真夏の夜の夢》などの間奏曲は代表的なものである。これらは単独に演奏されることも多い。…
…(3)劇やオペラの幕間に奏される劇間音楽で,通例,器楽曲。17世紀後半以降,インテルメッツォintermezzo,アクト・チューンact‐tune,アントラクトentr’acteなどの名でも呼ばれ,シューベルトの《ロザムンデ》,メンデルスゾーンの《真夏の夜の夢》などの間奏曲は代表的なものである。これらは単独に演奏されることも多い。…
※「インテルメッツォ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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