コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ホルビッツ Horvitz, H. Robert

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ホルビッツ
Horvitz, H. Robert

[生]1947.5.8. イリノイ,シカゴ
アメリカ合衆国の生物学者。2002年「器官の発生とプログラムされた細胞死(アポトーシス)の発見」に対し,シドニー・ブレンナー,ジョン・サルストンとともにノーベル生理学・医学賞を受賞した。1974年ハーバード大学で博士号取得,マサチューセッツ工科大学の助手,助教授を経て,1986年から教授。1988年からハワードヒューズ医学研究所研究員も務める。1mm程度の線虫,C.エレガンス Caenorhabditis elegansは卵から親になる間,1090個の細胞のうち自然に 131個の細胞が死んで,残りの 959個の細胞で体をつくる。ホルビッツはその細胞死が細胞中の cedという一組の遺伝子が働いて起こすことをつきとめた。この細胞死は遺伝子があるプログラムにそって働いて起こるためプログラムされた細胞死と呼ばれる。ホルビッツはさらに cedに似た遺伝子がヒトにもあり,同様の現象がありうることを指摘した。ced遺伝子がどのような仕組みで働くかは,神経の病気や癌などの病気にも関係があり,さらに研究が進められている。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ホルビッツ
ほるびっつ
Howard Robert Horvitz
(1947― )

アメリカの生物学者。イリノイ州シカゴに生まれる。マサチューセッツ工科大学で経営学、数学を専攻、1974年にハーバード大学で生物学の博士号を取得。1978年マサチューセッツ工科大学準教授、1986年同大学教授。1988年より同大学ハワードヒューズ医学研究所に移る。イギリスにて、S・ブレンナー、J・サルストンらとともに、線虫C. エレガンス(C. elegans)を用いて、卵から成体までの、すべての細胞の運命の決定に関する研究に携わった。この研究で、線虫の発生の過程では細胞分裂により増えた細胞の多くが、規則正しく死んでいくことを明らかにした。さらに、発生過程における細胞死(アポトーシス)が、遺伝子に組み込まれた特定のタンパク質により支配されていること、細胞死を支配する遺伝子が線虫だけでなくヒトを含む生物全般に共通して存在することを明らかにした。この発見により、これまで受動的におきると考えられていた細胞死の多くが、遺伝子に組み込まれたメカニズムにより能動的に引き起こされていることがわかり、癌(がん)や神経変性疾患などの病気における細胞死の分子機構の解明に大きく貢献した。この業績に対し、ブレンナー、サルストンとともに2002年のノーベル医学生理学賞を受賞した。[馬場錬成]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

ホルビッツの関連キーワードシドニー ブレンナージョン サルストン

今日のキーワード

分水嶺

1 分水界になっている山稜(さんりょう)。分水山脈。2 《1が、雨水が異なる水系に分かれる場所であることから》物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android