デジタル大辞泉 「ボスラ」の意味・読み・例文・類語 ボスラ(Bosra) シリア南部、ヨルダン国境近くの都市。古くから交通の要地として栄え、ローマ帝国の支配下では都市計画に沿って多数の施設や道路などが作られた。玄武岩を使って建てられた円形劇場のほか、神殿、浴場などの遺跡が残る。1980年に「古代都市ボスラ」として世界遺産(文化遺産)に登録。2013年、国内騒乱による破壊などが理由で危機遺産に登録された。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボスラ」の意味・わかりやすい解説 ボスラBosra シリア南西部,首都ダマスカスの南 108kmに位置する古代都市。古くはナバタイ王国 (→ナバタイ人 ) の戦略都市であったが,2世紀初頭,ローマ帝国に征服されてアラビア属州 (→アラビア) の州都となった。トラヤヌス帝の時代にローマ式の都市計画にそった大規模な建築物が次々に造営された。なかでも 5000人を収容する円形劇場は半円形のオーケストラボックス,舞台の背後にはコリント式円柱で飾られた壮麗な壁 (スケナエ・フロンス) を備える。7世紀イスラム時代に劇場全体を取り囲む石壁と堀がめぐらされ,十字軍の攻撃を退ける要塞となった。このため劇場の保存状態はきわめてよく,最上階の列柱廊を含め,ほぼ完全な姿で現存する唯一のものとなっている。町はその後,巡礼路からもはずれてすたれたが,その上に現在の町が建設され,ローマ時代の市場や水利施設などが残っている。 1980年旧市街が世界遺産の文化遺産に登録。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報