ボルガ[川](読み)ボルガ

百科事典マイペディア 「ボルガ[川]」の意味・わかりやすい解説

ボルガ[川]【ボルガ】

ロシア大河モスクワ西方のバルダイ丘陵に発して東流,南に転じ,ボルゴグラードから南東流してカスピ海に注ぐ。河口に大デルタを形成。全長3688kmでヨーロッパ第一。流域面積は138万km2。11月末〜4月初めの間氷結。ルイビンスク湖,クイビシェフ湖,ボルゴグラード湖などの人造湖があり,水力発電が盛ん。モスクワ西方のルジェフから河口まで定期船が連絡,ボルガ・バルト海運河,ボルガ・ドン運河が通じ,ロシアの河川交通の大動脈をなす。チョウザメなど魚類も豊富。おもな支流はオカ川。中世以後北ヨーロッパと中央アジアを結ぶ交易路として繁栄。〈母なるボルガ〉として古くから親しまれ,ネクラーソフゴーリキーレーピンなどの芸術家によって文学作品や絵画の題材とされている。
→関連項目ウドムルトオネガ[湖]チュバシドナウ[川]ボルゴグラードマリ・エルモスクワヤロスラブリロシア

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世界大百科事典 第2版 「ボルガ[川]」の意味・わかりやすい解説

ボルガ[川]【Volga】

ロシア連邦西部を流れる川。長さ3530kmで,ヨーロッパで最長,ロシア国内ではシベリアのオビ,レナ,アムール,エニセイの各川に次ぎ5番目の長さである。流域面積は136万km2で,ヨーロッパ・ロシアの1/3,日本の3.7倍にあたる。その存在は,古典古代以前のギリシア人にも知られており,プトレマイオスはラーRha川とよんでいた。中世以来,北ヨーロッパと中央アジアを結ぶ交易路となって栄え,その沿岸では,ボルガ・ブルガール族ハザル族の国家,キプチャク・ハーン国,カザン・ハーン国,アストラハン・ハーン国などが興亡をくりひろげた。

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