ドナウ

百科事典マイペディア 「ドナウ」の意味・わかりやすい解説

ドナウ[川]【ドナウ】

英語ではダニューブDanube。ボルガ川に次ぐヨーロッパ第2の大河。ドイツ南西部シュワルツワルト東麓に発して東流,ウィーンブダペストベオグラードを経て,ルーマニアブルガリアの国境をなし黒海に注ぐ。全長約2850km。流域面積約82万km2。支流約300。流量の季節的変化は少なく,またウィーンから下流勾配(こうばい)もきわめて小さい。トランシルバニア・アルプスとバルカン山地の境にある鉄門河口の大三角州とは舟航の障害になっているが,東欧諸国の動脈として重要な役割を果たす。大型船はドイツのレーゲンスブルク,小型船はウルムまで航行可能。ルートウィヒ運河によりマイン川を経てライン川とも結ばれる。その航行権をめぐっては17世紀初め以来各国間で多くの協定がなされたが,1856年パリ条約でドナウ川の国際管理が決まり,〈ヨーロッパ・ドナウ委員会〉が設置された。ベルサイユ条約で1921年ドナウ川沿岸諸国と〈ヨーロッパ・ドナウ委員会〉によってブライラからウルムまでの自由航行の保障を任務とした〈国際ドナウ委員会〉が設立されたが,1940年に解散。第2次大戦後ドナウ川の管理権は東西両ドイツによって争われたが1948年ベオグラード協定で沿岸諸国による管理委員会が発足した。
→関連項目オーストリア鎖橋黒海ドイツドナウ・デルタバラトン[湖]ハンガリーブルガリアライン[川]

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android