マジソンのジレンマ(その他表記)Madison's Dilemma

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マジソンのジレンマ」の意味・わかりやすい解説

マジソンのジレンマ
Madison's Dilemma

特定利益を擁護する集団はほかの市民の権利や社会全体の利益と敵対しがちだが,それを理由に表現の自由結社の自由を制限することはより危険だとする見解。18世紀末アメリカ合衆国で,のちに第4代大統領となったジェームズ・マジソンが,共和制を説いた『フェデラリスト』誌でこれを指摘。マジソンは互いに競合し重複する多数の利益,共和政体,権力分立が特定集団の支配を防ぐとした。また 19世紀初めアメリカ社会を観察したアレクシス・ド・トックビルは,結社を好むアメリカ人の性向を,民主社会に多数者の専制や圧制者が登場するのを防ぐ長所とみなした。この圧力集団への均衡論的見解は 20世紀以降の多元主義論(→多元主義)につながる。(→民主主義

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