ミシシッピ泡沫事件(読み)ミシシッピほうまつじけん(その他表記)Mississippi Bubble

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミシシッピ泡沫事件」の意味・わかりやすい解説

ミシシッピ泡沫事件
ミシシッピほうまつじけん
Mississippi Bubble

1720年フランスのパリで起ったアメリカ植民会社にまつわる金融投機破綻事件。スコットランドの投機業者 J.ローはミシシッピ川沿岸の植民,開拓を目的とした会社を設立し,株を発行したが,この地方に金鉱銀鉱が発見されたというニュースを流したため,株価は急激に上昇,19年 10月には 100ドルの株が 4000ドルとなった。しかもローは株券への支払い額の4分の1を貨幣,残りを公債で要求したため,公債は大幅に値上がりし,フランス政府もこれに便乗して公債発行額を増加した。しかし,19年末投機業者が株を売出したため,公債価格は暴落し,金,銀,ダイヤモンド価格は暴騰した。 20年 12月ローはフランスから逃亡,政府は債権者に対し総額3億 4000万ドルまでその損害を補償することになった。

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世界大百科事典(旧版)内のミシシッピ泡沫事件の言及

【株式会社】より

… 1718‐20年,パリもロンドンもアムステルダムも空前の株式ブームにわいた。このブームとその崩壊はともにパリから始まったが,フランスではジョン・ローのミシシッピ泡沫事件(1720),イギリスでは南海泡沫事件(1720)という二つのドラマティックな事件をひきおこした。ミシシッピ川流域との貿易を独占するジョン・ロー設立の特権的貿易会社の株がパリで投機の渦中にあったとき,イギリスでは中南米沿岸と西アフリカで貿易および開発の特権を与えられた南海会社(1711設立)の株が急上昇を続け,20年6月のピークには額面100ポンドの株が1050ポンドにも跳ね上がった。…

※「ミシシッピ泡沫事件」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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