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ミッレト制 ミッレトせいmillet

翻訳|millet

世界大百科事典 第2版の解説

ミッレトせい【ミッレト制 millet】

オスマン帝国において公認された宗教共同体。オスマン政府は属地支配,とくに自領内のルーメリア(バルカン)やアルメニアなどに居住する非トルコ系非ムスリム系諸族住民の構成する共同体に対し,保護と支配とを兼ねる特殊な宗教自治体を設けた。これがミッレトである。語源的にはシリア語のメルタmeltaにまでさかのぼりうるアラビア語のミッラmillaに由来する。この制度の沿革はオスマン帝国以前にさかのぼり,古く,ササン朝では,ネストリウス派キリスト教徒に対し適用され,またビザンティン帝国では首都コンスタンティノープル在住のアルメニア人やユダヤ教徒を取り扱う場合にも同様の方式が適用された先例がある。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内のミッレト制の言及

【キビ(黍)】より

…五穀のひとつで,イネ科の一年草(イラスト)。英名millet,proso millet,common millet,hog millet。種子は栄養価が高く,古くから重要な食糧とされてきたが,最近ではほとんど常食とされない。…

【雑穀】より

…アワ,キビ,ヒエなどの総称で,英語のミレットmilletに対応する語。すでに《日葡辞書》(1603)にも〈Zacocuザコク(雑穀)〉として掲出されている。…

【オスマン帝国】より

…ティマール制のもとでは土地はすべて国有地(ミーリーmiri)とされ,軍事封土の保有者シパーヒーによる農民支配は,カーヌーンによって細かく規定されていた。また,非ムスリム諸民族の場合は,それぞれが属する宗教的共同体(ギリシア正教会,セルビア教会,ブルガリア教会,アルメニア教会,ユダヤ教会など)ごとの内部自治を認められた(ミッレト制)。
[社会,経済,文化]
 帝国の社会的身分秩序は,軍人,官僚,ウラマー層およびその家族,親族,奴隷からなるアスケリーaskerı(さらに武官ehl‐i seyfiyyeと文官ehl‐i kalemiyyeとに分けられる)と生産者大衆レアーヤーreaya(小商工民,農民,遊牧民を指し,ムスリムと非ムスリムの区別を含まない)とからなり,〈レアーヤーの子はレアーヤーである〉という身分秩序観念があった。…

【ギリシア】より

…オスマン支配期のギリシアについては,デウシルメに徴集され改宗を強制された者たちを除けば,17~18世紀にマケドニア地方で多くみられるが,それもおもに人頭税をのがれるための経済的理由によるものであった。オスマン政府は強制的な改宗政策をとらず,ミッレト制の原則にしたがって,オスマン政府のための税の徴収と納税の義務と引換えにギリシア正教会に広範な自治権を認め,その自治体をルーム・ミッレト(ギリシア人のミッレト)とよんだ。総主教はミッレト構成員に対する課税権や構成員間の民事裁判権をも与えられたから(刑事裁判はイスラム法による),むしろ以前よりも聖俗両界に対する権威を高めることになった。…

※「ミッレト制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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