ミュータンス菌(読み)みゅーたんすきん

日本大百科全書(ニッポニカ)「ミュータンス菌」の解説

ミュータンス菌
みゅーたんすきん

口腔(こうくう)内に存在する、むし歯の原因となる細菌。ミュータンス連鎖球菌、あるいは、う蝕(しょく)原性連鎖球菌とよばれる鎖のようにつながる細菌で、7菌種ほどが確認されている。狭義には、そのうちのストレプトコッカス・ミュータンスStreptococcus mutansのみをさす。ヒトの口腔内にはストレプトコッカス・ミュータンスとストレプトコッカス・ソルビナスStreptococcus sorbinusがみいだされており、これらがむし歯の発生に関与している。

 ミュータンス菌は生まれたばかりの子供の口腔内には存在せず、菌を保有する大人が子供に口移しで食物を与えたり同じ食器を使ったりすることで唾液(だえき)を介して感染する。感染した菌は歯の表面に付着する歯垢(しこう)(プラーク)のなかに存在して糖類を分解し、酸を産生する。この酸が歯の硬いエナメル質から象牙(ぞうげ)質を侵襲して、ついには齲窩(うか)を形成し歯の欠損が生じる。ミュータンス菌を減らすためには、歯みがきなどにより歯垢を除去することが基本となる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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