コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

球菌 きゅうきんcoccus

翻訳|coccus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

球菌
きゅうきん
coccus

球形の細菌で,代表的なものは,ブドウの房状に集中する性質をもっているブドウ球菌と,鎖を連ねたような形に並ぶレンサ球菌であるが,ほかにも双球菌や四連菌,あるいは腎臓形やハート形に集るものもある。大部分はグラム染色法で陽性を示すが,肺炎双球菌を除く双球菌はほとんどグラム陰性である。病原性をもつ球菌は,感染すると炎症,化膿を起すが,サルファ剤や各種の抗生物質が治療効果を示す。臨床上,ブドウ球菌の感染はやや治療が困難である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

球菌【きゅうきん】

球形あるいは類卵形の細菌。直径は0.3〜3μm。分裂して2個ずつ対をなしている場合(双球菌),長い鎖をつくる場合(連鎖球菌),不規則に分裂したまま塊をなしている場合(ブドウ球菌)などがある。
→関連項目細菌

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

きゅうきん【球菌 coccus】

外形が球形をした細菌の総称。杆菌(棒状をしたもの),螺旋(らせん)菌などに対応していう。しかし球菌といっても,楕円形,ランセット状(肺炎球菌),ソラマメ形(リン菌,髄膜炎菌)などのものもある。大きさは直径0.3~3.0μmくらい。球菌は,分裂したのち直ちにばらばらに離れる単球菌だけでなく,分裂後も細菌どうしがくっついていて,特有の配列を示すものが多い。2個ずつ対をなす双球菌(肺炎双球菌),4個ずつになる四連球菌,連鎖球菌ブドウ球菌などはその例で,このような形態的特徴は菌種間の鑑別に役立つ。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

きゅうきん【球菌】

球形の細菌の総称。化膿かのうの原因となるブドウ球菌や連鎖球菌、肺炎を起こす肺炎双球菌のほか、淋りん菌・髄膜炎菌など。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

球菌
きゅうきん

(かん)菌やらせん菌と対比して使われる細菌学用語で、球状の細菌をいう。英語つづりでは単数がcoccus、複数がcocciとなる。球菌は、球状細胞の配列によって次のように分けられる。単球菌monococci=球状細胞が単独で存在する菌。双球菌diplococci=通常、2個の球状細菌が連なる菌。四連球菌tetracocci=4個の球状細胞が平面的に四方に配列する菌。八連球菌sarcina=8個の球状細胞が立方体状に配列する菌。連鎖球菌streptococci=球状細胞が連鎖状に配列する菌。ブドウ球菌staphylococci=球状細胞がブドウ果のように集団状となる菌などがおもなものである。また、単球菌、双球菌、四連球菌などは、通常、小形であるために小球菌micrococciとよばれることがある。
 細菌類の属には、サルシナSarcina、ストレプトコックスStreptococcus、スタフィロコックスStaphylococcusのように、形状を表す用語をそのまま属名としているものもあれば、メタンを生産する球菌をメタノコックスMethanococcus、粘液を出す球菌をミクソコックスMyxococcusというように、後尾に-coccusをつけて形状を表すものもある。[曽根田正己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の球菌の言及

【細菌】より

…多くの場合,適当な色素によって細菌を染色してから顕微鏡観察が行われる。細菌はその外形の上から,球菌杆菌,らせん菌に大別される。細菌のなかには,細胞分裂後に細菌どうしが離れずに,互いにくっつき合って配列するものがある。…

※「球菌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

球菌の関連キーワードバンコマイシン耐性黄色葡萄球菌ペニシリン耐性肺炎球菌ブドウ球菌(葡萄球菌)多剤耐性黄色葡萄球菌溶血性連鎖球菌感染症ブドウ(葡萄)球菌A群溶血性連鎖球菌オレアンドマイシンノイフェルト現象ニューモバックスエンテロトキシン肺炎球菌ワクチン人食いバクテリアリンコマイシンMRSA感染症A群連鎖球菌化膿連鎖球菌グラム染色法肺炎連鎖球菌ミカマイシン

球菌の関連情報