ミーラー・バーイー(読み)みーらーばーいー(英語表記)Mīrā Bāī

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミーラー・バーイー」の意味・わかりやすい解説

ミーラー・バーイー
みーらーばーいー
Mīrā Bāī
(1498ころ―1546ころ)

インドのクリシュナ信仰のブラジバーカー語詩人。メーワール王妃。若くして夫と死別、家を出て諸国を遊行(ゆぎょう)し、晩年はクリシュナゆかりの地ドワーリカーに住み、賛歌を歌い踊ることに専念した。ときには無属性の神、ときにはヨーガ行者の姿をした神をたたえているが、クリシュナ、とくに「ギリダル・ゴーパール」(山をもたげるクリシュナ)に捧(ささ)げるひたすらな愛と、別離の悲しみの歌が美しく、『ミーラー賛歌集』としていまなお愛唱されている。メーワール方言で書かれた作品もあり、グジャラート州では自州の文学者としているが、ほとんどの作品がブラジバーカー語に訳され歌われている。

[土井久弥 2018年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミーラー・バーイー」の意味・わかりやすい解説

ミーラー・バーイー
Mīrā Bāī

[生]1450頃.クダキ
[没]1547頃.ドゥワールカー
インド,ヒンディー語の女流詩人。ラージャスターンの一王家に生れ,メーワールの王子ボージラージに嫁したが,夫の死後クリシュナ信仰に入り,クリシュナを夫として,愛を賛歌に表わした。

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