メサコン酸（読み）メサコンサン

化学辞典 第2版

メサコン酸
メサコンサン
mesaconic acid

(E)-2-methyl-2-butenedioic acid．C₅H₆O₄(130.10)．メチルフマル酸ともいう．不飽和の二塩基酸．シス形異性体のシトラコン酸を，希硝酸あるいはアルカリと加熱すると得られる．無色の結晶．融点204～205 ℃．密度1.466 g cm^－3．K₁ 8.22×10^－4，K₂ 1.5×10^－6(25 ℃)．水，エタノール，エーテルに可溶，クロロホルム，二硫化炭素，リグロインに難溶．昇華性．無水物はつくらないが，加熱すると異性化したのち，無水シトラコン酸になる．グルタミン酸の微生物分解で生成する．[CAS 498-24-8]

出典　森北出版「化学辞典（第2版）」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

メサコン酸
メサコンさん
mesaconic acid

メチルフマル酸ともいう。昇華性のある結晶。融点 204℃，エチルアルコール，エーテルに可溶，クロロホルムに難溶。この酸のジメチルエステルは沸点 205℃の液体で，水に難溶，加熱すると無水シトラコン酸となる。次の構造をもつ。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世界大百科事典（旧版）内のメサコン酸の言及

【イタコン酸】より

…メチレンコハク酸ともいう。メサコン酸，シトラコン酸の異性体(図参照)。融点(分解)167～168℃，密度1.63，白色結晶。…

※「メサコン酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」