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グルタミン酸 グルタミンさんglutamic acid

翻訳|glutamic acid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

グルタミン酸
グルタミンさん
glutamic acid

略号 Glu ,化学式は HOOC(CH2)2CH(NH2)COOH 。酸性アミノ酸の一種。 (1) L体 蛋白質構成アミノ酸として広く分布している。コムギやダイズの蛋白質から加水分解によるか,グルコースとアンモニウム塩から Micrococcus glutamicusなどの微生物による発酵法によって生産される。分解点 247~249℃。モノナトリウム塩が調味料として用いられる。生理的には,L体の塩は神経伝達物質として機能し,大量に産生すると神経毒として働いて,神経細胞の死をきたす。 (2) D体 無味。分解点 224~225℃。

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デジタル大辞泉の解説

グルタミン‐さん【グルタミン酸】

glutamic acidアミノ酸の一。小麦のグルテンなどの加水分解によって得られる。白色の結晶。たんぱく質中に含まれ、動物体内では物質代謝に重要な役割を果たす。昆布のうまみの主成分で、調味料として生産される。
[補説]「具留多味酸」とも書く。

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百科事典マイペディアの解説

グルタミン酸【グルタミンさん】

化学式はHOOC・(CH22・CH(NH2)・COOH。アミノ酸の一種。L-グルタミン酸はタンパク質中に広く存在し,特に穀類のタンパク質に多い。
→関連項目イノシン酸化学調味料筋萎縮性側索硬化症グルテンコンブ(昆布)

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栄養・生化学辞典の解説

グルタミン酸

 C5H9NO4 (mw147.13).

 略号Glu,E.酸性アミノ酸可欠アミノ酸の一つ.広く動植物タンパク質中に存在し,コンブだし汁うま味グルタミン酸によることが発見されて以来,L型のもののナトリウム塩が調味料として工業的に製造されるようになった.D型にはうま味はない.加熱により脱水,環化してピログルタミン酸になる.脳では神経伝達物質の役割も果たす.

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典の解説

グルタミンさん【グルタミン酸】

アミノ酸の一種で、非必須アミノ酸。主に脳神経細胞のエネルギー源となり、体内ではアラニンアスパラギン酸セリンが作られる際に必要なアミノ酸。海藻、小麦粉、大豆、さとうきびなどに多く含まれる。アンモニアによる脳機能の障害を抑え、アンモニアの酸性度を調節し、グルタミンにかえて脳の燃料として利用されるほか、疲労回復、利尿効果、アルコール依存症の改善、肥満の予防などに効果があるとされる。

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世界大百科事典 第2版の解説

グルタミンさん【グルタミン酸 glutamic acid】

カルボキシル基を2個もつ酸性アミノ酸の一つ。1866年リットハウゼンK.H.L.Ritthausenがコムギのグルテンから発見した。命名はグルテンにちなむ。L‐,D‐2種の異性体がある。L‐グルタミン酸はほとんどのタンパク質中に存在し,このナトリウム塩(グルタミン酸ナトリウム)はコンブの旨味の本体で調味料として賞用される。カルボキシル基の一つがナトリウム塩となっているもので,MSG(monosodium glutamate)とも呼ばれる。

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大辞林 第三版の解説

グルタミンさん【グルタミン酸】

α -アミノ酸の一種。タンパク質の構成成分として広く分布する。カゼイン・グルテンの加水分解によって得られる。白色の結晶。生体内ではケトグルタル酸とアンモニアから生じ、他のアミノ酸の合成・分解に重要な役割を果たす。略号 Glu  

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

グルタミン酸
ぐるたみんさん
glutamic acid

α(アルファ)-アミノ酸の一つで、酸性アミノ酸。略号はGluまたはE。α-アミノグルタル酸ともいい、化学式はC5H9NO4で、分子量は147.13。1866年にドイツの農芸化学者リットハウゼンKarl H. L. Ritthausen(1826―1912)がコムギのグルテンから単離した。L-グルタミン酸はヒトにとっては非必須(ひひっす)アミノ酸である。タンパク質を構成するアミノ酸の一つで、魚類の精子(白子(しらこ))中のタンパク質プロタミンを除くタンパク質に広く分布する。昆布のだし汁のうま味は、L-グルタミン酸のモノナトリウム塩(グルタミン酸ナトリウム)による。L-グルタミン酸は神経伝達物質(神経細胞間のシナプス伝達の際に軸索の末端にある神経終末から放出される化学物質)の一つである。生体内の代謝でも重要な役割を果たしており、主要経路はTCA回路のα-ケトグルタル酸からグルタミン酸デヒドロゲナーゼの働きによってグルタミン酸となる経路で、これは可逆反応であり、主要なアミノ基転移反応である。また、オルニチンを通じて尿素回路(オルニチン回路)に連絡するほか、アミド化されるとグルタミンになるなど、プロリン、オキシプロリン、ヒスチジンなどのアミノ酸にも通じる。なお、D-グルタミン酸は、枯草菌や炭疽(たんそ)菌などの細菌の莢膜(きょうまく)(細菌細胞の外側に存在する粘性・膠状(こうじょう)の厚い層)中にポリグルタミン酸として存在する。[降旗千恵]

栄養

コムギのタンパク質グルテンを加水分解したとき得られるアミノ酸であるが、広く食品タンパク質に含まれている。栄養上は非必須アミノ酸である。タンパク質中ではグルタミンの形で存在することが多い。グルタミン酸は各種のトランスアミナーゼの作用によってケト酸(ケトン酸)にアミノ基を移動させ、アミノ酸代謝上重要なアミノ酸であり、糖質、脂質代謝とも関連が深い。[宮崎基嘉]
『神崎宣武著『日本人は何を食べてきたか――食の民俗学』(1987・大月書店) ▽永津俊治他編『脳のレセプターと運動』(1990・平凡社) ▽森正敬著『生体の窒素の旅』(1991・共立出版) ▽マックス・ペルツ著、林利彦・今村保忠訳『生命の第二の秘密――タンパク質の協同現象とアロステリック制御の分子機構』(1991・マグロウヒル出版) ▽Judy Shabert他著、斎藤英昭監訳『グルタミンのすべて――免疫系、消化器系、骨格筋へのすばらしい効果』(1994・三輪書店) ▽川合述史著『分子から見た脳』(1994・講談社) ▽武藤輝一編『最新 アミノ酸輸液』(1996・医薬ジャーナル社) ▽佐藤昌康編、川人光男他著『ブレインサイエンス最前線』(1997・講談社) ▽船山信次著『アルカロイド――毒と薬の宝庫』(1998・共立出版) ▽板倉徹・前田敏博編著『小脳――神経科学の基礎と臨床7』(1999・ブレーン出版) ▽片岡喜由著『岩波科学ライブラリー76 脳低温療法』(2000・岩波書店) ▽栗原堅三他著『グルタミン酸の科学――うま味から神経伝達まで』(2000・講談社) ▽ジョン・エムズリー、ピーター・フェル著、渡辺正訳『からだと化学物質――カフェインのこわさを知ってますか?』(2001・丸善)』

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世界大百科事典内のグルタミン酸の言及

【α‐ケトグルタル酸】より

クエン酸回路(細胞の好気的呼吸)の一員であり,ミトコンドリアに局在するイソクエン酸デヒドロゲナーゼによってイソクエン酸が酸化的脱炭酸されることにより生成する。またグルタミン酸とも関係深い代表的α‐ケト酸で,グルタミン酸の酸化的脱アミノ反応によっても生成する。種々のアミノ基転移反応におけるアミノ基受容体(レセプター)として重要な役割を果たす。…

【化学調味料】より

…ところで,化学の発達により,だしやスープに含まれているうま味の本体がわかるようになった。コンブのうま味はグルタミン酸,鰹節のうま味はイノシン酸,貝のうま味はコハク酸である。また鶏がらのうま味はグルタミン酸やイノシン酸などの複合したものである。…

※「グルタミン酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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