日本大百科全書(ニッポニカ) 「モルガン・ユキ」の意味・わかりやすい解説
モルガン・ユキ
もるがんゆき
(1881―1963)
アメリカ、モルガン財閥の一夫人。もと、京都・祇園(ぎおん)の芸妓(げいぎ)。京都の刀剣商の四女として生まれる。加藤ユキといい、14歳で芸妓となる。1901年(明治34)に来日したモルガン財閥当主の甥(おい)、ジョージ・D・モルガンに見そめられる。法外な落籍料が払われ、04年に結婚式をあげた。この間のことについては、「モルガンお雪」として芝居、小説などで取り上げられた。結婚後ニューヨークに行き、まもなくフランスに渡って暮らした。15年(大正4)に夫と死別したのち、マルセイユ、ニースなど南仏で生活した。38年(昭和13)日本に帰国し、余生を京都で過ごした。
[芳井敬郎]
『小坂井澄著『モルガンお雪』(集英社文庫)』