モンバサのジーザス要塞(読み)モンバサのジーザスようさい

世界遺産詳解 「モンバサのジーザス要塞」の解説

モンバサのジーザスようさい【モンバサのジーザス要塞】

2011年に登録された世界遺産(文化遺産)。モンバサジーザス要塞は、ケニアの南部、インド洋に臨むコースト州の州都モンバサの港を見下ろす高台にある。この要塞は、モンバサを支配していたポルトガル人がモンバサ港を守るためにジョバンニ・バティスタ・カイラティが設計し、1596年に建造した。カイラティは、イタリア人建築家で、スペインとポルトガルを治めていたフィリペ2世に仕え、軍事建築の設計士として活躍した。ジーザス要塞はヨーロッパ様式の要塞がヨーロッパ以外で建設された最初のもので、その完璧な均衡と幾何学的調和はルネサンス美学を具現しており、16世紀のポルトガル軍事要塞としては最もよく保存されている。これ以降、モンバサは、アフリカ西海岸におけるポルトガルの貿易の中心地として栄えることになる。その後、イギリスの植民地支配の時代には、監獄として利用され、現在は、フォート-ジーザス国立博物館として一般公開されており、大砲や中国陶磁器などの交易品、ポルトガルの沈没船などを展示している。◇英名はFort Jesus Mombasa

出典 講談社世界遺産詳解について 情報