日本大百科全書(ニッポニカ) 「モーペルチュイ」の意味・わかりやすい解説
モーペルチュイ
もーぺるちゅい
Pierre Louis Moreau de Maupertuis
(1698―1759)
フランスの数学者、天文学者。サン・マロに生まれ、16歳でパリに出て、主として数学に熱中し、1723年「楽器の形状について」の論文で科学アカデミーの会員に選ばれた。1728年イギリスに渡り、ニュートン力学を学んで、これをフランスに取り入れ、数学・力学の発展に寄与した。1735年、地球の形状を確かめるための観測隊が、南アメリカのペルーと北極圏ラップランドに派遣されるにあたり、自ら隊長となってラップランドに行き、地球が扁平(へんぺい)であることを明らかにした。これはすでにニュートンの理論から予想されていたことで、ニュートン理論のいっそうの普及をもたらした。1745年、ドイツ科学アカデミーの招きに応じ、総裁に就任し、14年間その任を務めて故郷に帰った。業績の最たるものは1744年に「最小作用の原理」を導出したことで、力学の基礎原理を発見したことになる。
[島村福太郎]