最小作用の原理(読み)さいしょうさようのげんり(英語表記)principle of least action

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

最小作用の原理
さいしょうさようのげんり
principle of least action

力学における変分原理の1種で,時刻 t1t2 の間の実際の運動経路は,同じ両端点を通り,同じ全エネルギーをもつ経路のなかで作用量最小となるものであるという原理。1個の質点の運動に対して 1747年 P.L.M.モーペルチュイが提唱した原理を一般化したもので,さらに一般化したものにハミルトンの原理がある。

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デジタル大辞泉の解説

さいしょうさよう‐の‐げんり〔サイセウサヨウ‐〕【最小作用の原理】

物理学における基本原理の一つ。ある系における物体の運動は、作用量という物理量を最小とする経路に沿うというもの。ラグランジュが考案した変分法を適用することによって、物体の運動を記述する運動方程式が得られる。最小作用の法則

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世界大百科事典 第2版の解説

さいしょうさようのげんり【最小作用の原理 principle of least action】

質点はその作用積分が各時刻において最小となるような軌道を描くという力学原理解析力学枠組みにおけるもっとも一般的な形に述べられる運動法則,すなわちハミルトンの原理が現れる以前,直観的に運動法則を述べる試みとして,1744年P.L.M.deモーペルテュイによって最初に提出された。ここで作用積分とは,質点の運動量p(t)をその描く軌道q(t)に沿って積分する,のことを意味していた(tは時間)。のちのハミルトンの原理からみてモーペルテュイの主張が正しいのは,質点のもつハミルトン関数Hp(t),q(t)以外に直接tに依存しない形式の場合,すなわちHが一定値E(運動エネルギーTと位置エネルギーUの和),言い換えれば軌道がすべてこのような等エネルギー面上にある場合である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

最小作用の原理
さいしょうさようのげんり
principle of least action

物体の運動は作用(または作用積分)という量が最小になるように軌道(時間的移動経路)が決まるという原理。物理学の基礎原理の一つである。1744年にモーペルチュイにより提案されたことから、モーペルチュイの最小作用の原理ともよぶ。束縛条件が時間によらず、位置エネルギーUが速度や時間に依存しない場合、Tを運動エネルギーとすると、2Tを時刻t1からt2まで積分したものを作用積分とよび、この変分が0になるように運動の軌道が決まるという原理である。式で表すと

となる。のちにオイラー、ハミルトンにより洗練され、LTUというラグランジアンの変分が0になるように運動が決まるという、ハミルトンの原理(ハミルトンの最小作用の原理)に進化した。この原理は解析力学のみならず、マクスウェルの電磁気学、アインシュタインの相対性理論、量子力学などの研究において、指導指針となっている。この原理の光学版がフェルマーの原理である。

[山本将史]

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