ヤドカリ類(読み)ヤドカリるい(その他表記)hermit crab

翻訳|hermit crab

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤドカリ類」の意味・わかりやすい解説

ヤドカリ類
ヤドカリるい
hermit crab

軟甲綱十脚目ツノガイヤドカリ科 Pylochelidae,ヤドカリ科 Diogenidae,ホンヤドカリ科 Paguridae,オキヤドカリ科 Parapaguridae,オカヤドカリCoenobitidaeおよび Pylojacquesidaeに属する種類の総称。陸上生活のオカヤドカリから水深 4000m以深の深海産の種まで,世界で約 1100種が知られており,巻貝(→巻貝類)やツノガイなどの殻を宿とするものが多い。腹部は関節が不明瞭で,一般に右巻きにねじれ,巻貝の殻に入るのに適する。雌雄とも腹肢は左側にだけある。第1脚は左右不相称のものが多く,ホンヤドカリ科では右脚が,ヤドカリ科では左脚が大きく,ホンヤドカリ科は本州中部以北の浅海や中南部の深海に,ヤドカリ科は中部以南の沿岸サンゴ礁に分布する。卵は腹肢に付着し,ゾエアとして孵化する。ゾエアは浮遊生活をしながら 4~6回の脱皮後グラウコトエ幼生となり,1回脱皮後幼体になって底生生活に移る。長尾類(エビ類),短尾類(カニ類)に対して,タラバガニカニダマシコシオリエビなども含めて異尾類をヤドカリ類と総称することもある。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

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