デジタル大辞泉
「長尾類」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ちょうび‐るいチャウビ‥【長尾類】
- 〘 名詞 〙 節足動物甲殻綱十脚目から短尾類(カニ類)と異尾類(ヤドカリ類)を除いたもの。近年は自然分類群ではないと考えられている。サクラエビ、クルマエビ、イセエビ、ザリガニなどのエビ類が含まれる。体は頭部、胸部、腹部の三部に分かれ、合計二一節からなる。頭部と胸部は頭胸甲と呼ばれる大きな一つの甲でおおわれ、各節には一対の付属肢がある。テナガエビ類、ヌマエビ類、ザリガニ類以外は海産で、水産食品として重要なものもある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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長尾類
ちょうびるい
macruran
軟甲綱十脚目 Decapodaに属するエビ類の総称。カニ類の短尾類,ヤドカリ類の異尾類に対応することばであるが,エビ類をまとめる分類学的な名称ではない。エビ類の体は頭部 5節,胸部 8節,腹部 6節と尾節からなり,頭部と胸部は 1枚の甲で覆われている。腹部は各節ごとに独立した甲で覆われ,自由に屈伸する。頭部付属肢は第1触角,第2触角,大顎,第1小顎,第2小顎である。胸部付属肢の前 3対は顎脚と呼ばれ,大顎,第1小顎,第2小顎とともに口器を形成する。続く 5対の胸脚は,前 2対または 3対,あるいは第2脚だけが鋏になるが,5対のすべてが鋏になっている場合や鋏をまったくもたない場合もある。一般の体形から,遊泳に適したクルマエビ類(→クルマエビ)とコエビ類(遊泳類),歩行に適したイセエビ類(→イセエビ)とザリガニ類(→ザリガニ)(歩行類)に大別される。発生過程は一様ではなく,幼生の形態も変化に富む。卵は一般に雌に抱かれ,ミシスという幼生期をもつ。サクラエビとクルマエビ類のみが自由放卵で,ノープリウス幼生として孵化する。また淡水産種には幼生期をもたない種も若干知られている。水産業上の重要種が多いが,資源が減少しているため,養殖の研究が進んでいる。(→甲殻類,十脚類,節足動物,軟甲類)
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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長尾類
ちょうびるい
節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目のうちエビ類の分類学上の名称。扱いとしては亜目Macruraで、異尾類(ヤドカリ類)と短尾類(カニ類)に対応するが、体形にクルマエビ類のような遊泳型とイセエビ類のような歩行型があり、前者を遊泳亜目、後者をヤドカリ類やカニ類とともに歩行亜目とする分類法もある。
[武田正倫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の長尾類の言及
【エビ(海老∥蝦)】より
…甲殻綱十脚目Decapodaに属する節足動物の通称。長尾類と呼ばれることも多いが,腹部がよく発達しているという意味で,腹部が曲がっている異尾類,すなわち[ヤドカリ]類と腹部が退化している短尾類,すなわち[カニ]類に対比していわれる言葉である。エビ類の体制は,体が[クルマエビ]類やコエビ類のように遊泳に適している側扁型,[イセエビ]類や[ザリガニ]類のように歩行に適している横扁型に大別される(図1)。…
※「長尾類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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