異尾類(読み)イビルイ(その他表記)anomuran

デジタル大辞泉 「異尾類」の意味・読み・例文・類語

いび‐るい【異尾類】

十脚目に属する甲殻類のうちヤドカリ類の総称。古い分類による呼称で、長尾類(エビ類)・短尾類カニ類)に対していう。現在は抱卵亜目下位に異尾下目として分類される。タラバガニヤシガニなどもこれに含まれる。

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精選版 日本国語大辞典 「異尾類」の意味・読み・例文・類語

いび‐るい【異尾類】

  1. 〘 名詞 〙 節足動物、十脚目の中の一族で、エビ類とカニ類との中間動物頭胸部石灰質の甲に包まれる。ヤドカリ類、スナモグリ類、タラバガニ類がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「異尾類」の意味・わかりやすい解説

異尾類
いびるい
anomuran

軟甲綱十脚目抱卵亜目異尾下目 Anomuraとしてまとめられる甲殻類の総称。広い意味でのヤドカリ類の分類学的な名称長尾類(エビ類)と短尾類(カニ類)の中間に位置する動物群で,アナジャココシオリエビ,ヤドカリ,スナホリガニの 4上科に分類され,さらに 20科に分けられる。体形はエビ形あるいはカニ形のものもみられるが,基本形は腹部が左右不相称のヤドカリ形である。一般にほかの動物にしがみついたり,石の下に隠れる習性(走触性)があり,これが最も特殊化したものが,巻貝類などを利用するようになった典型的なヤドカリ類である。陸生のものから深海産のものまであり,タラバガニの仲間など水産上の有用種も含まれる。孵化幼生はゾエアで,4~6回の脱皮ののち後期幼生のグラウコトエになり,さらに 1回脱皮して幼体となる。世界で約 2600種,そのうち日本産は 350種ほどである。(→十脚類節足動物軟甲類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「異尾類」の意味・わかりやすい解説

異尾類
いびるい

節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目異尾亜目を構成する動物群の名称。世界で約2000種が知られている。長尾亜目(エビ類)と短尾亜目(カニ類)との中間的な形態で、いわゆるヤドカリ類が大部分を占める。別の分類体系によれば、十脚目は遊泳類(亜目)と歩行類(亜目)に分けられるが、その場合、異尾類は歩行型のエビ類(イセエビなど)とカニ類とともに後者に含まれる。

[武田正倫]

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