ヤドリダニ(読み)やどりだに(英語表記)parasitid mites

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤドリダニ」の意味・わかりやすい解説

ヤドリダニ
やどりだに / 寄生蜱
parasitid mites

節足動物門クモ綱ダニ目ヤドリダニ科Parasitidaeのダニの総称。漢字で書くと「寄生蜱」となり、これをキセイダニと読むと寄生性のダニと間違えられるが、この科のダニは寄生性ではない。昆虫に付着していることがあるのを寄生と間違えたため、このような名がつけられたらしい。体長0.8~1.4ミリメートルで褐色、第2脚の腿節(たいせつ)に頑丈な棘(とげ)をもつ。落ち葉、腐植土堆肥(たいひ)の中にすみ、活発に動き回ってトビムシ線虫、ほかのダニなどを捕食する。ケブトヤドリダニParasitus gregarius、エダゲムシクイダニEugamasus consanguineusなど日本に数種いる。広義にはヤドリダニ亜目(中気門亜目)を意味し、その場合にはイエダニワクモなど寄生性のものも含まれる。

青木淳一

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ヤドリダニ」の意味・わかりやすい解説

ヤドリダニ (寄生蜱)

蛛形(ちゆけい)綱ダニ目ヤドリダニ団Gamasinaの節足動物の総称(広義にはヤドリダニ亜目を指す)。体長0.3~1.3mm,無色~褐色。第1脚は他の脚よりも細く長いことが多い。つめは2本。生態はさまざまで,動物の体表に寄生するイエダニワクモトゲダニ,体内に寄生するハイダニ,ハナダニ,植物体上でハダニなどの害虫を捕食してくれるカブリダニ,土壌中で他の小虫を捕食するホコダニなどがいる。
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