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トビムシ

百科事典マイペディアの解説

トビムシ

ヨコエビ

トビムシ

トビムシ目(粘管目,弾尾目とも)に属する昆虫総称。最も原始的な昆虫の一群で,無変態で,脱皮回数は不定,幼生成虫も完全に翅を欠く。皮膚のキチン化も弱く,体は軟弱,体長3mm以下の微小種が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トビムシ
とびむし / 跳虫
springtail

昆虫綱無翅(むし)類トビムシ目Collembolaに属する昆虫の総称。粘管類(目)、弾尾類ともいう。原始的な虫で、微小ながら多様な形態をもち、生活型もさまざまで、無翅昆虫類中の最大群である。体長は大きいもので10ミリメートルほどもあるが、ほとんどのものが1~5ミリメートルくらいである。触角は4節が基本で、第3、第4節に特殊な感覚器官をもつ。目は退化してしまうものもあるが、1~8個の個眼が緩く眼斑(がんぱん)上に並んでいる。口器はすべて頭の中に収められ、外からは見えないが、噛(か)んだり吸うのに適した構造になっている。胸部は3節、3対の肢(あし)は歩脚である。腹部はこの虫を大きく特徴づける部分となっている。すなわち、6節しかない腹部というのはほかの昆虫類と著しく異なり、また付属肢の形態機能の変化した第1節の腹管(粘管)、第3節の保体、第4節の跳躍器の所持はほかに類をみない。腹管の先端には粘液嚢(のう)があって、体の保持や呼吸の補助を行い、保体は跳躍器を留めておくもので、跳躍器は通常は腹下に折り曲げられているが、必要に応じて急激にばねのようにはじき、土(または支持物)をけって激しく跳ぶ。その動作がトビムシとよばれるゆえんである。気管を欠き、呼吸は皮膚で行われる。すみ場所は多様で、水辺、水面、雪上、アリやシロアリの巣中、樹上、草間、洞窟(どうくつ)内などにみいだされるが、落葉土中にいる割合がもっとも多く、全土壌動物の70%以上を占めることがまれでない。落ち葉の分解者としての役割はきわめて高い。種類も多く、日本では16科86属に含まれる240種余りが記録されている。ミズトビムシ科のミズトビムシPodura aquaticaはしばしば群をなして水面に浮かんでいるのがみられる種で、全世界に分布する。ムラサキトビムシ科のムラサキトビムシNeogastrura communisは湿気の多い所を好み、各地に普通。イボトビムシ科のベニイボトビムシBiloba roseaも倒木や落ち葉などの湿った場所を好む。全体が鮮紅色の美しい種で、各地に普通。フシトビムシ科のミドリトビムシIsotoma viridisは、落ち葉の中やその周辺に発見される。マルトビムシ科のミズマルトビムシSminthurus aquaticusは、水面生活に適応した丸形の種で、これも各地に普通。これら5種の体型がおよそトビムシ類の体型を代表している。[山崎柄根]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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