ヤブタビラコ(読み)やぶたびらこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤブタビラコ」の意味・わかりやすい解説

ヤブタビラコ
やぶたびらこ / 藪田平子
[学] Lapsanastrum humile (Thunb.) Pak et K.Bremer
Lapsana humilis Makino

キク科(APG分類:キク科)の越年草。葉は羽状に分裂して叢生(そうせい)し、高さ約20センチメートルの繊細な茎を数本出す。4~5月、茎の先に径約8ミリメートルと小さな黄色の頭花をまばらにつけ、花期後下を向く。痩果(そうか)は冠毛がない。同属タビラコに似るが、ヤブタビラコは果実期に頭花が卵球形となり、痩果の先端に鉤(かぎ)状突起がないので、区別される。平地の藪(やぶ)などに普通に生え、北海道から九州および韓国、中国に分布する。ヤブタビラコ属は北東アジアに約4種分布する。

[森田龍義 2022年5月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤブタビラコ」の意味・わかりやすい解説

ヤブタビラコ(藪田平子)
ヤブタビラコ
Lapsana humilis

キク科の越年草で,日本全域と中国大陸に分布する。田の縁や林,藪地などに普通に生える。根出葉は長い柄があって,羽状に分裂し,頂片は大きく,先は円頭である。4~6月に,株の中心から数本の花茎を伸ばし,高さ 10~30cmほどで,数個の小さい茎葉をつける。茎は上部で分枝し,径 1cm弱の黄色の頭状花をまばらな総状花序状につける。頭花は舌状花のみで,花後は総包が球形となり下を向く。赤褐色の痩果は長さ2~3mmで冠毛はない。

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百科事典マイペディア 「ヤブタビラコ」の意味・わかりやすい解説

ヤブタビラコ

タビラコ

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世界大百科事典(旧版)内のヤブタビラコの言及

【タビラコ】より

…なお,タビラコがムラサキ科のキュウリグサを指すことがある。 ヤブタビラコ属Lapsanaは世界の温帯に約10種あり,日本にはほかにヤブタビラコL.humilis Makinoがある。日本全土および中国の平地のやぶ陰に普通にみられ,タビラコによく似るが,果時の頭花が卵球形で,瘦果の先端の突起がない点が異なる。…

※「ヤブタビラコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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