改訂新版 世界大百科事典 「ヤマサキ」の意味・わかりやすい解説
ヤマサキ
Minoru Yamasaki
生没年:1912-86
アメリカの日系二世の建築家。シアトル生れ。1934年ワシントン大学卒業後ニューヨークに移り,多くの事務所で建築実務を経験する。49年セントルイスで独立。ここで手がけたセントルイスのランバート空港(1956)がAIA賞,神戸のアメリカ領事館(1957)が日本建築学会賞を得て広く知られるようになる。ウェインWayneの州立大学マグレガー記念ホール(1958),シアトル万国博科学館(1964),ロサンゼルスのセンチュリー・プラザ・ホテル(1966)などでは,とくにゴシック建築を思わせる美しい装飾が人目をひきつける。しかし,ニューヨークのツインの摩天楼ワールド・トレード・センター(世界貿易センター)は,構造それ自体をデザインに結びつける手法がいつも彼の建築の根底にあることを知らしめた。
執筆者:山口 廣
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報