ヤマラッキョウ(読み)ヤマラッキョウ(その他表記)Allium thunbergii

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤマラッキョウ」の意味・わかりやすい解説

ヤマラッキョウ(山薤)
ヤマラッキョウ
Allium thunbergii

ヒガンバナ科ネギ属多年草。日本の本州以南および東アジアに分布し,山地草原に生える。鱗茎は 1.5~3cmで,外皮は灰白色,古い褐色の外皮が残る。葉は茎の下部に 2~3個つき三稜があって,下方で鞘状になる。9~11月,葉の間から高さ 30~50cmの円柱形の花茎を出し,多数の紅紫色の花が球状の散形花序をつくる。花被片は平開しない。おしべ 6本は花被より長く突き出している。ラッキョウに似ているが,花柄が短く,冬は葉が枯れることで区別できる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤマラッキョウ」の意味・わかりやすい解説

ヤマラッキョウ
やまらっきょう / 山薤
[学] Allium thunbergii G.Don

ユリ科(APG分類:ヒガンバナ科)の多年草。茎は高さ30~60センチメートル。狭卵形の鱗茎(りんけい)があり、外皮はほとんど繊維に分解しない。葉は鈍三稜(りょう)形。花被片(かひへん)は紅紫色、楕円(だえん)形で先は丸い。花糸は花被より長い。名は、山地に生え、全体がラッキョウに似ていることによる。日当りのよい山間の草地に生え、関東地方以西の本州、および朝鮮半島、台湾、中国に分布する。

[清水建美 2019年3月20日]

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世界大百科事典(旧版)内のヤマラッキョウの言及

【ネギ(葱)】より

…春の食用野草として最も知られたものの一つである。(3)ヤマラッキョウA.thunbergii G.Don 山野の草原地,路傍に見られ,秋に紫紅色の花をつける夏緑型の多年草。本州東北地方南部から中国大陸,台湾,朝鮮半島に分布する。…

※「ヤマラッキョウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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