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ユカタヤマシログモ ユカタヤマシログモScytodes thoracica; spitting spider

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ユカタヤマシログモ
Scytodes thoracica; spitting spider

クモ綱クモ目ヤマシログモ科。雌の体長4~7mm,雄は少し小さい。体は黄色で黒色の斑紋や横縞があり,歩脚は細くて弱々しく多数の黒環がある。眼は6個。糸腺があまり発達しておらず網を張らない。人家の内外の薄暗い場所を徘徊する。動作は緩慢ではあるが,虫に上顎から勢いよく粘液を吐きかけて捕える。成体は一年中みられる。夏期に産卵し,雌は 30個ほどの卵を糸でかがった卵塊を口器につけて持運ぶ。世界中に分布し,日本でも各地でみられるが,元来は熱帯のクモである。和名は斑紋がゆかたの模様に似ていることによる。ヤマシロは京都府山城にちなむ。 (→クモ類 )

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ユカタヤマシログモ
ゆかたやましろぐも / 浴衣山城蜘蛛
spitting spider
[学]Scytodes thoracica

節足動物門クモ形綱真正クモ目ヤマシログモ科に属するクモ。家屋内の縁の下、押入れ、長い間使用しない引出しの奥などにすむ。六眼の淡褐色の5~8ミリほどの腹部のずんぐりした丸いクモで、歩脚は細くて弱々しくみえる。腹部に数対の褐色斑紋(はんもん)のあることからユカタの名がつき、日本では山城国(京都府)で最初にみつかったのでヤマシログモという。腹端の出糸突起から糸を出すことはほかのクモと変わりはないが、餌(えさ)の小動物をとらえるとき口から糸を吐きかけてからめとるので、外国ではツバハキグモとよばれる。この口から吐く糸物質は、本来は毒腺(どくせん)の毒液であったものが変化したもので、体外に出ると糸状になる。小さい虫が近づくと急にこれを吐きかけて身動きできないようにする。糸をかけられた虫が急に動けなくなるのは、糸の粘性だけでなく、糸に毒物質が含まれていると考えられる。世界共通種で温帯地方に広く分布する。[八木沼健夫]

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