ユパンキ(英語表記)Atahualpa Yupanqui

デジタル大辞泉 「ユパンキ」の意味・読み・例文・類語

ユパンキ(Atahualpa Yupanqui)

[1908~1992]アルゼンチンフォルクローレ歌手・ギター奏者・作詞家・作曲家。本名、エクトル=ロベルチ=チャベーロ(Héctor Roberto Chavero)。自然の風景とそこに住む人々の姿を歌った。作品に「インディオの道」「ツクマンの月」「牛車にゆられて」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「ユパンキ」の意味・わかりやすい解説

ユパンキ
Atahualpa Yupanqui
生没年:1908-92

アルゼンチンの作曲家,歌手,ギター奏者で,詩人,作家としても知られる。本名チャベロHéctor Roberto Chavero,芸名はインカ皇帝2人の名を取ったもの。ブエノス・アイレス州の寒村カンポ・デ・ラ・クルスに生まれ,少・青年時代はアルゼンチン国内を広く放浪し,働きながら音楽,文学を学んだ。1929年に処女作の歌曲《インディオの道Camino del indio》を書く。30~40年代を通じ,詩人・音楽家としてしだいに認められ,1950年前後,《トゥクマンの月Luna tucumana》《牛車にゆられてLos ejes de mi carreta》ほかを発表し,また左ききに構えるギターの演奏,渋く奥深い語り口をもつ歌とにより,フォルクローレ(民謡に基づく民衆音楽)界の第一人者となった。かたわら《インディオの道Cerro Bayo》(1946),《インディオのしらべ》(1947),自伝風な《風の歌》(1965)など優れた著作や詩集も発表,映画の製作にも手を染めるなど,多方面からアルゼンチンの郷土精神,土に生きる自然児の魂を称揚してきた。1964年に初来日。
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百科事典マイペディア 「ユパンキ」の意味・わかりやすい解説

ユパンキ

アルゼンチンの作曲家,歌手。フォルクローレの作詞家で,ギター奏者でもある。本名チャベロ。芸名はインカ帝国の皇帝2人の名前を取ったもの。ブエノス・アイレス州の寒村カンポ・デ・ラ・クルスに生まれた。9歳のときトゥクマン市に移住,少・青年時代は国内を放浪し,働きながら音楽や文学を学んだ。1929年処女作《インディオの道》を書いた。その後も農民牧夫の生活をテーマに深い人生観をにじませた作品を発表し,1930年−1940年代に活動の輪を広げた。代表作に《トゥクマンの月》《牛車にゆられて》《牛追いは行く》などがあり,左ききに構えるギターの演奏と渋く奥深い語り口の歌とでフォルクローレの第一人者となった。ほかに《インディオの道》《インディオのしらべ》《風の歌》などの著作や詩集もある。

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