日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユーノスチ」の意味・わかりやすい解説
ユーノスチ
ゆーのすち
Юность/Yunost'
ロシアの月刊文芸誌。1955年にソビエト作家同盟の機関誌としてモスクワで発刊され、このときは発行部数10万部であった。イラスト入りで、文学・芸術・社会・政治など、扱うテーマは全般的である。初代編集長は作家のカターエフ。「青春時代」を意味するこの雑誌は、主として若者向けに編集されており、スターリン没後の「雪解け」時代にあって清新なイメージで若い読者たちに迎えられた。積極的に若手新進作家の発見、育成にあたり、アクショーノフの『同期生』(1960)、『星の切符』(1961)、ビートフの『かくも長き幼年時代』(1965)、ワシーリエフの『夜明けは静かだ!』(1969)、チトーフの『すべての死に面当てを』などの作品が同誌に初めて掲載された。
ペレストロイカ(改革)時代の1990年、310万部という最高の発行部数を記録し、このときはボイノービチ、アクショーノフ、ボローディン、マクシーモフなどの作品が発表された。ソ連崩壊後は大幅に部数を減らし、2000年には約1万5000部にまで落ち込んだ。
[大木昭男]