ヨハニデス(読み)よはにです(英語表記)Ján Johanides

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨハニデス」の意味・わかりやすい解説

ヨハニデス
よはにです
Ján Johanides
(1934― )

スロバキアの作家。政治的理由によりブラチスラバの大学を放校になった後、さまざまな職につきながら執筆し、短編集『私生活』(1963)でデビューした。実存主義の影響を受け、個人の生理的感覚に密着しながら個と社会の危機を描く手法は、社会主義リアリズムのもとで硬直化していた文学界新風を吹き込んだ。1968年の『プラハの春』弾圧後約10年間出版を禁じられるが、環境問題を扱った『知られざる鴉(からす)たち』(1978)で文壇に復帰し、以後『マウトハウゼンの象』(1985)、『兄弟を葬る』(1987)など話題作を発表。社会主義体制崩壊以降も『就寝前のツグミの鳴き声』(1992)、『雄猫と冬の人』(1994)などをはじめ旺盛(おうせい)に新作を上梓(じょうし)している。

[木村英明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨハニデス」の意味・わかりやすい解説

ヨハニデス
Johanides, Ján

[生]1938
スロバキアの小説家。短編集『プライバシー』 Soukromie (1963) ,『ノーNie (66) などで知られる。

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