特許権などの産業財産権や著作権を保有している権利者が、第三者に対してその使用を有償で許諾すること。特許権等のライセンシングでは、ライセンス料の支払いを回避する目的や侵害訴訟の和解の結果として企業同士が相互に相手側の技術を無償で利用するクロスライセンスの形態をとる場合が多い。著作権のライセンシングについては、歴史的にも活発であり、多くの場合、2001年10月から施行された著作権等管理事業法に基づいて仲介業者が著作権の利用許諾や使用料の徴収を行っている。仲介業者としては日本音楽著作権協会(JASRAC:Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishers)などが有名であるが、現法制下では、業者は登録制で広く門戸が開かれている。また、人気アニメやマンガのキャラクターあるいは俳優、スポーツ選手の氏名、肖像を使用した商品開発、販売を行うキャラクター・マーチャンダイジングのためには、著作権、商標権、意匠権や肖像権のライセンシング行為が必須である。一般に、これらの権利処理、ライセンシング手続きは複雑でコストがかかるため、海外では模倣品や海賊版が横行しているのが実態である。