ラーセン(読み)らーせん(英語表記)Don James Larsen

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラーセン」の意味・わかりやすい解説

ラーセン
らーせん
Don James Larsen
(1929―2020)

アメリカのプロ野球選手(右投右打)。大リーグ(メジャー・リーグ)のセントルイス・ブラウンズ(1954年からボルティモア・オリオールズ)、ニューヨーク・ヤンキース、カンザスシティ・アスレチックス(現、オークランド・アスレチックス)、シカゴ・ホワイトソックス、サンフランシスコ・ジャイアンツ、ヒューストン・コルト.45s(フォーティファイブス)(1965年からヒューストン・アストロズ)、シカゴ・カブスで投手としてプレー。ヤンキース時代にワールド・シリーズ史上唯一となる完全試合達成した投手である。

 8月7日、インディアナ州ミシガン・シティで生まれる。1953年、大リーグのブラウンズに初昇格し、先発救援兼任で7勝12敗の成績を残した。ブラウンズは弱小球団であっただけに、健闘といえた。1954年は3勝21敗と低迷。しかし、そのうちの2勝はヤンキース戦であげたもので、興味をもったヤンキースが18人が絡む大型トレードで獲得した。強豪チームの一員となると打線の援護にも恵まれるようになり、移籍1年目の1955年は9勝2敗、1956年と1957年は2桁(けた)勝利と好成績をあげた。とくに、リーグ優勝してブルックリン・ドジャース(現、ロサンゼルス・ドジャース)とのワールド・シリーズに出場した1956年は、第5戦でシリーズ史上初の完全試合を達成。ワールド・シリーズ制覇に貢献してシリーズ最優秀選手(MVP)に選ばれた。1959年限りでヤンキースから放出されると、その後は6球団を転々としたがふたたび2桁勝利をあげることはなく、1967年のカブス最後現役を引退した。

 14年間の通算成績は、登板試合412、投球回1548、81勝91敗、セーブ23、防御率3.78、奪三振849、完投44、完封11。

[山下 健]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android