リカルドゥス[サン・ビクトル](英語表記)Richardus a St. Victore

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

リカルドゥス[サン・ビクトル]
Richardus a St. Victore

[生]?
[没]1173.3.10. パリ
イギリス生れのスコラ神学者。パリのサン・ビクトル大修道院に入り,サン・ビクトルのフゴに学び,1162年師を継いで同副院長をつとめた。彼は弁証論を駆使して信仰真理に必然的論証を与えようとし,他面では神学を中心として感覚的知覚から神的観想における神との合一にいたる魂の6階梯を論じて神秘思想を深めた。ダンテは彼を「偉大な観想家」と評している (『神曲』天国編 X132) 。主著三位一体論』 De trinitate,『観想の恩寵について』 De gratia contemplationis。

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