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ロックフェラー財閥 ロックフェラーざいばつ

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百科事典マイペディアの解説

ロックフェラー財閥【ロックフェラーざいばつ】

19世紀末すでに全米石油の独占体勢を確立したスタンダード・オイル会社を中心に,J.D.ロックフェラーが形成した米国の大財閥。石油帝国の異名があり,世界の石油産業を牛耳るほか,チェース・マンハッタン銀行メトロポリタン生命保険などの金融機関のもとに,ウェスティングハウス・エレクトリック以下,鉄鋼,航空機,食品,化学などの大企業多数を傘下(さんか)にもつ。
→関連項目デュポン財閥ロックフェラー・センター

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世界大百科事典 第2版の解説

ロックフェラーざいばつ【ロックフェラー財閥】

デュポン家,メロン家と並ぶアメリカ三大財閥の一つで,石油産業(エクソン社などスタンダード系石油会社)を中心に,鉱山,化学,銀行(チェースマンハッタン銀行)など多岐にわたる事業を展開している。同時にロックフェラー財団を通じて,とくに医学,農業など自然科学の分野における篤志活動を行っている。とりわけ1960年代の発展途上国の慢性的な食糧不足の克服に貢献のあった新種の種子開発によるグリーンレボリューション(緑の革命)は,ロックフェラー財団の業績として評価が高い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ロックフェラー財閥
ろっくふぇらーざいばつ

アメリカ最大の利益集団インタレストグループinterest group)の一つで、その経済・金融世界における勢力圏はモルガン財閥と並ぶ。ロックフェラーモルガンの両集団は互いにライバルであると同時に、戦略的同盟者として20世紀末からは互いに協同しながらグローバル戦略を展開し、アメリカ経済・金融のヘゲモニー(パックス・アメリカーナ)を演出している。2000年9月には、ロックフェラー集団の主力銀行持株会社であるチェース・マンハッタンが、モルガン系金融機関の中軸であるJ・P・モルガン吸収合併し、同年末、JPモルガン・チェースを発足させ、アメリカの世界金融レジームを確立すべく、ヨーロッパや日本の巨大銀行をしのぐメガ・バンクを形成し始めた。
 ロックフェラー財閥の始祖であるジョン・D・ロックフェラーは、1937年に巨万の富を得て世を去るまで、アメリカ石油産業に発展をもたらした企業家としての生涯を歩み、さらに銀行、自動車、空運、鉄道、化学、情報通信の主力企業を傘下に取り込み、アメリカ最大の企業集団をつくりあげた。[奥村皓一]

歴史

ジョン・D・ロックフェラーは1862年にわずか4000ドルを手に石油産業に身を投じ、実弟のウィリアム・ロックフェラーWilliam Rockefeller(1841―1922)をはじめ、アンドリュース、フラグラー、ハークネス、ブリュスター、ジェニングらの経営パートナーとともにスタンダード石油トラストを構築した。19世紀末にスタンダード石油は、アメリカ全土における原油の生産・輸送・販売を支配する統合一貫会社として独占体制を確立し、さらに世界市場での征服者としてイギリス・オランダ資本のロイヤル・ダッチ・シェルと覇権争いを演ずるまでになった。1911年、スタンダード石油トラストはシャーマン法(反トラスト法)によって分割されたが、その後もスタンダード系石油資本として相互に競争、協調し、アメリカ国内と国際石油市場での地歩をさらに強化していくことになる。同時に、ジョン・D・ロックフェラー1世と2世(1874―1960)は、アメリカの国内政治のみならず国際政治(外交政策)にも発言力を強める必要性を痛感し、1920年代からはアメリカ最大の政策立案機関である「外交問題評議会」Council on Foreign Relationsを創立、発展させ、ワシントン政府への人材供給源として現在に至るまで活用している。
 1930年にモルガン系の銀行であったチェース・ナショナル銀行Chase National Bankを支配下に収め、1955年にマンハッタン銀行と合併してチェース・マンハッタン銀行と改称した。ロックフェラーの権勢は、チェース・マンハッタンを財閥の主力銀行として確立してゆく過程で巨大化していった。主力銀行を構築したロックフェラー集団は、航空宇宙、自動車、石油化学、通信、コンピュータ、空運の多国籍企業へと資本的・人的結合関係を広げていった。エクソンやモービル(現エクソンモービル)をはじめとするロックフェラー系石油メジャー(国際石油資本)は、米英の国際石油トラストを活用して世界中に勢力を拡張した。[奥村皓一]

歴代の主要人物

ジョン・D・ロックフェラーの実弟であるウィリアムは、ジョンのパートナーとしてスタンダード石油の構築に向けて協力したが、後にジェームズ・スティルマンJames Stillman(1850―1918)のナショナル・シティ・バンク(シティバンクの前身)とのつながりを深めていった。ウィリアムの長男がスティルマン家の長女と婚姻関係となったこともあって、ナショナル・シティ・バンクはスタンダード石油の主力銀行になっていった。しかし、ジョン・D・ロックフェラー家の金融代表であったウィンスロップ・オールドリッチWinthrop Williams Aldrich(1885―1974)の働きでチェース・ナショナル銀行をモルガンの手から入手すると、同行がロックフェラー集団の主力銀行へと重要な役割を占めるようになり、ナショナル・シティ・バンクは別の企業集団を形成していくことになった。なお、ナショナル・シティ・バンクはその後合併を重ね、1998年4月にはトラベラーズ(証券・投資・保険部門をもつ総合金融機関)と合併して巨大金融機関のシティグループとなっている。
 ロックフェラー家は、ジョン・D・ロックフェラーによる財閥形成以来5世代を経ており、5世代目を含めると一族は総勢500人を超える。3代目は、ジョン・D・ロックフェラー2世の三男であるネルソン・ロックフェラーNelson Aldrich Rockefeller(1908―79)で、彼は1970年代にフォード政権の副大統領となったほか、五男のデビッド・ロックフェラーDavid Rockefeller(1915― )はチェース・マンハッタンの会長兼最高経営責任者(CEO)を務めただけでなく、世界中の政財界要人4万人と親交をもつ「銀行外交官」と称され、外交問題評議会会長としてもワシントン政府に強い影響力をもった。また、ジョン・D・ロックフェラー4世(1937― )は、民主党の上院議員として20年以上のキャリアをもつ。[奥村皓一]

現況

企業集団としてのロックフェラーの経済・金融勢力は1960年代を一つの頂点として、1970年代、1980年代はモルガン集団に主導権を渡したが、1990年代にはふたたび盛り返し、基幹銀行のチェース・マンハッタンは1996年にケミカル・バンキングChemical Banking Corp.と合併したのち、2000年にはJ・P・モルガンの吸収合併を果たした。石油産業への投資でも、1990年代以降はOPEC(オペック)諸国をふたたび味方につけ、旧ソ連圏の油田・ガス田の開発における主導権を獲得している。
 ロックフェラー、モルガン、シティの三者はニューヨーク三大集団とよばれる。1960年代からアメリカ企業が多国籍企業へと発展していく過程で、国際プロジェクトや国際シンジケートローン(協調融資)、超大型企業の買収合併では、ニューヨーク三大集団の銀行は互いに協同して巨大資本への金融支援を行うようになっている。
 ロックフェラー財閥の組織的中核は、一族の資産を管理するロックフェラー・ブラザーズRockefeller Brothers, Inc.であり、このほか、ロックフェラー・センター、ロックフェラー財団、ロックフェラー・ブラザーズ基金などの諸組織が補完している。[奥村皓一]
『レイモンド・B・フォスディック著、井本威夫・大沢三千三訳『ロックフェラー財団――その歴史と業績』(1956・法政大学出版局) ▽ジュールズ・エイベルズ著、現代経営研究会訳『ロックフェラー――石油トラストの興亡』(1969・河出書房新社) ▽大森実著『ライバル企業は潰せ――石油王ロックフェラー』(1986・講談社) ▽ゲイリー・アレン著、高橋良典訳『ロックフェラー帝国の陰謀――見えざる世界政府』Part1・2(1987・自由国民社) ▽読売新聞社編・刊『21世紀に向けて――D・ロックフェラー、盛田昭夫対談』(1992) ▽赤間剛著『巨大財閥の秘密――ロックフェラーからロスチャイルドまで』(1994・三一書房) ▽ロン・チャーナウ著、井上廣美訳『タイタン――ロックフェラー帝国を創った男』上下(2000・日経BP社)』

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