ロトンダ(その他表記)rotonda[イタリア]

関連語 福田

改訂新版 世界大百科事典 「ロトンダ」の意味・わかりやすい解説

ロトンダ
rotonda[イタリア]

円形ないしそれに近い多角形プランの部屋,または建物のこと。多くはドーム状の天井や屋根をもつ。ロトンドrotonde(フランス語),ロタンダrotunda(英語)ともいう。円形の空間は人々の宇宙観,生死観と深い関連をもち,古くから墳墓神殿の形態として用いられた。古代ギリシアの円形神殿(トロスtholos)もその一例であり,ローマのパンテオン(2世紀初め)は最も壮大な円形神殿で,〈ロトゥンダRotunda(ラテン語)〉の代名詞で呼ばれた。この伝統はキリスト教建築にも継承され,洗礼堂聖人の廟などに円形プランが用いられることが多かった。ルネサンス以後は円形は幾何学的に完全な形態として重視され,ブラマンテ作のテンピェット(1510ころ)やパラディオ作のビラ・アルメリコ(通称〈ロトンダRotonda〉。1567ころ)などが代表的作品とみなされ,後世の建築にも大きな影響を与えた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロトンダ」の意味・わかりやすい解説

ロトンダ
rotonda; rotunda

建築用語。ドームのある円形建築またはドームをもつ大広間。古代ギリシアのトロスに由来する。代表例はローマのパンテオン,住宅としては A.パラディオビラ・ロトンダなど。ロンドンのチズウィック・ハウス (1725) やワシントン D.C.のアメリカ国会議事堂などもその新しい例である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android