日本大百科全書(ニッポニカ) 「トロス」の意味・わかりやすい解説 トロスとろすtholos ギリシア語tholos 英語 建築用語。古代ギリシア・ローマの円形の墳墓および円形のプランをもつ建造物。トロスにはミケーネ時代ならびにエトルリアの穹窿(きゅうりゅう)式墳墓のほか、ギリシア・ローマ時代に建立された列柱を配した円形プランの建造物も含まれる。エピダウロス、デルフォイのマルマリア、オリンピアの各聖地に建つトロスはいずれも紀元前4世紀ごろのもの。もっとも著名な作例にミケーネのいわゆるアトレウスの宝庫(前13世紀初期)、ローマのパンテオン(建立は前1世紀、現存の建物は後2世紀の改築)がある。[前田正明] デルフォイの遺跡 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トロス」の意味・わかりやすい解説 トロスtholos 建築用語。円形のプランをもつ建築。主として古代ギリシア建築について用いる。「アトレウスの宝庫」のようなクレタ=ミケーネの穹窿墓に最も古い形がみられる。デルフォイ,エピダウロス,オリンピアなどの聖地に古代ギリシアの周柱式トロスの遺構がある。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報