…以後ニューヨークに住み,この都会を描き,あるいは少なくともここでの生活に霊感を得て書いた作家や詩人は無数といってよい。 とくにマンハッタンの下町(ダウンタウン),五番街の起点で,ワシントン・スクエア一帯を指すグリニチ・ビレッジの果たした役割が大きい。この地域は,19世紀の末葉まではむしろ高級住宅地で,《モヒカン族の最後》(1826)などを書いたJ.F.クーパーが住み,また死の前年(1915)イギリスに帰化した大作家H.ジェームズも,幼少時代をこの町で過ごし,のちに傑作中編《ワシントン・スクエア》(1881)を書く下地を作った。…
※「ワシントン・スクエア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」