一店一帳合制(読み)いってんいっちょうあいせい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一店一帳合制」の意味・わかりやすい解説

一店一帳合制
いってんいっちょうあいせい

メーカー卸売業者に対し,その販売先の小売業者を限定し,その小売業者に決まった卸売業者以外と取引できなくさせるなど,直接当事者でないものが事業者の販売先を一つに限定する制度で,メーカーの流通系列化の一手段。小売業者に対して一つの卸売業者との取引しか認めない場合,特に一店一帳合制という。これによって,このメーカーの製品をめぐる小売業者に向けての卸売業者間の競争は制限され,卸売業者に安定したマージンを与えることもできる。メーカーにとってみれば,製品の流通全体の流れを把握できる点にメリットがある。さらにそれによって,流通業者ロイヤリティも得ることができれば,結果的に流通チャネル全体のコントロールがやりやすくなり,製品の安定供給,流通の効率化が達成される。競争制限効果が大きいために,独占禁止法では原則として違法とされている。

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流通用語辞典 「一店一帳合制」の解説

一店一帳合制

メーカーが小売店に対して特定の卸売業者以外からは仕入ができないようにする制度。流通系列化戦略の一つであり、また社会経済的にみても流通の近代化合理化に貢献すると考えられている。しかし、法律上はいくつかの疑問点がある。たとえば、この制度が再販商品と同様な効果をもたらし、非再販商品については違法性が強いこと、小売店と卸売業者との取引を不当に拘束し、競争の有効性を阻害すること、などである。

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世界大百科事典(旧版)内の一店一帳合制の言及

【流通経路】より

…明確なチャンネル・キャプテンが存在しなければならないわけでもない。製造業者がキャプテンになるとき,よく問題になるのが再販制(再販売価格維持制度)の採用とか一店一帳合制(単一帳合制ともいう。製造業者が卸売業者に販売先である小売店を特定させ,小売業者がそれ以外の卸売業者からの取引ができなくさせる制度)などである。…

※「一店一帳合制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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