流通系列化(読み)りゅうつうけいれつか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「流通系列化」の意味・わかりやすい解説

流通系列化
りゅうつうけいれつか

流通業者自社のマーケティング活動に組み込み,そのことによって他メーカーに対する競争上の優位性を獲得しようとする方策の一つ。流通系列化には以下のものがある。 (1) 取引流通業者の選択と限定。そのために一手販売権やテリトリー制が用いられる。 (2) 取引流通業者の中立性の制限。自社製品の優先的販売努力を要請することから始まり,その極端が自社専属的流通になる。これは流通系列化の目的にもかかわる。 (3) (一店一) 帳合制による流通業者の各段階間の取引関係の制約。 (4) 抱合せ販売や全商品取扱強制による複数製品への拡張,である。流通業者に一手販売権やテリトリー制やリベート制などのメリットを与えつつ,排他的専属性・再販売価格維持などの系列化の実質を獲得する。系列化が垂直統合より選択される理由は,(1) 必要な投資が少なくて済むこと,(2) 在庫や売れ残りの市場リスクを流通業者と分け合えること,(3) 管理コストが少なくて済むことが考えられる。メーカーの段階では参入障壁として,流通段階では競争制限効果を持つという点から,独占禁止法での取扱が問題となることもある。最近ではメーカー自身においても,小売企業の大規模化・チェーン化の発展とともに,流通系列化の見直しが試みられている。

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流通用語辞典 「流通系列化」の解説

流通系列化

狭義にはチャネル・キャプテンによる流通過程への垂直的統合を意味するが、一般には、準垂直的統合を含む、ゆるい概念である。独占禁止法研究会の報告(昭和55年3月)では「流通系列化とは、製造業者が自己の商品の販売について、販売業者の協力を確保し、その販売について自己の政策が実現できるよう販売業者を掌握し、組織化するもの」と定義されている。流通系列化は、流通効率の増大取引費用提言など狙ったものである。

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