精選版 日本国語大辞典 「一次方程式」の意味・読み・例文・類語
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xを未知数とする方程式2x+3=0を考えよう。両辺から3を引いて,2x=-3を得る。両辺を2で割れば,x=-3/2となって,これが解である。一般にxを未知数とする方程式ax+b=0を一次方程式という。上記の特別な場合と同様に,両辺からbを引くとax=-bとなるから,a≠0ならば,この両辺をaで割って,x=-b/aを得る。したがって,a≠0ならば-b/aが解である。a=0でb≠0ならば,この方程式は解をもたない。a=b=0のときは,xが何でも解になる。ax=bという形の方程式も一次方程式といわれる。これは上記の方程式と本質的には同じものである。またx2+2x+3=x2+x+5のように,見かけは一次方程式でなくても,整理するとx-2=0となって一次方程式になるものがある。これも一次方程式と呼ばれることがある。
(x,y)平面でy=ax+bのグラフを考えれば,x軸y=0と直線y=ax+bの交わりのx座標がax+b=0の解である。a≠0ならば,これはx切片であるが,a=0ならば,b=0であるかどうかによって,2直線y=0とy=ax+bが一致してしまうか,まったく交点がないかが決まる。a≠0でa,bが有理数,実数,複素数であれば,ax+b=0の解はそれぞれ有理数,実数,複素数である。しかし,整数の範囲で考えると,a≠0でも解があるとは限らない。例えば,最初の例2x+3=0の解は有理数で考えれば-3/2であるが,整数の範囲では解がない。aがbの因数である(b=ac,cは整数)のときだけax+b=0に整数の解があって,x=-cが解である。x1,……,xnを未知数とする方程式a1x1+a2x2+……+anxn+b=0も一次方程式といわれる。
→連立一次方程式
執筆者:丸山 正樹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
未知数の次数が1である代数方程式をいう。たとえばx、y、zを未知数、a、bなどを定数とするとき、ax+b=0、ax+by+c=0、ax+by+cz=0(ただし未知数の係数はゼロでないとする)は一次方程式である。未知数の個数が1、2などに応じて一元、二元などと形容する。前記の例はそれぞれ一元、二元および三元の一次方程式である。
一元一次方程式は、式変形によって標準の形ax+b=0になる。この方程式の根(解)は、-b/aである。a≠0の条件を除けば、a=0、b≠0のとき不能または根が存在せず、a=b=0のときは不定または根が無数にある。
一般に二元以上の複数個の一次方程式において、同じ文字の未知数は同じ値をとるものとするとき、これら方程式の組を連立一次方程式という。たとえば
ax+by+c=0, a′x+b′y+c′=0
の組は連立二元一次方程式である。これら方程式をともに成り立たせる未知数の値の組を連立方程式の根(解)という。この例でab′-a′bがゼロでないとき、根は1組だけ存在し、ゼロのときは根が存在しないか、または無数に存在する。このことは、二元一次方程式を直線の方程式とみて、グラフ表示すれば直観的に明らかになる。連立一次方程式の解法には等置法、加減法および代入法などがある。また一般の連立一次方程式の根の考察には、行列および行列式の理論が用いられる。
[竹内芳男]
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