一軒(読み)ヒトノキ

デジタル大辞泉 「一軒」の意味・読み・例文・類語

ひと‐のき【一軒】

建築で、飛檐垂木ひえんだるきがなく、地垂木じだるきだけの軒。二軒ふたのきに対していう。

いっ‐けん【一軒】

一つの家。一戸いっこ

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精選版 日本国語大辞典 「一軒」の意味・読み・例文・類語

いっ‐けん【一軒】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一つの家。一戸(いっこ)
    1. [初出の実例]「好去重溟外、一軒梅竹居」(出典:蕉堅藁(1403)梅竹軒)
    2. 「壱軒の口上で済くばり餠」(出典:雑俳・柳多留‐一(1765))
  3. 近世見世物演劇見物席の一区画。ひとます。一間(いっけん)
    1. [初出の実例]「奈良大津伏見も人は替らねど、此桟敷(さんじき)、一軒(ケン)も取(とら)ず」(出典浮世草子日本永代蔵(1688)四)

ひと‐のき【一軒】

  1. 〘 名詞 〙 軒の垂木(たるき)地垂木だけで、飛檐(ひえん)垂木のないもの。

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世界大百科事典(旧版)内の一軒の言及

【社寺建築構造】より

…三手先以上では組物の間に斜めの尾垂木(おだるき)が入り,中世以降では二手先でも尾垂木を入れたものがある。垂木は一重のもの(一軒(ひとのき))と二重のもの(二軒(ふたのき))があり,まれに三重のものがある。二軒の下の垂木は地垂木といい,上の垂木を飛檐(ひえん)垂木という。…

【軒】より

…木造建築では柱通りあるいはそこから持ち出して軒桁を通し,垂木(たるき)を斜めに架けて構成されており,柱や壁を風雨からまもる重要な役割を果たす。日本建築の軒は地(じ)垂木だけの一軒(ひとのき),地垂木と飛檐(ひえん)垂木からなる二軒(ふたのき)のほか,まれに飛檐垂木を二重に設けた三軒(みのき)があり,さらに垂木の打ち方によって平行である繁(しげ)垂木と疎(まばら)垂木,ほぼ放射状となる扇垂木,隅だけ放射状の隅扇垂木,それに垂木を打たない板だけの板軒などに分かれる。したがって,二軒繁垂木,一軒板軒というように表示する。…

※「一軒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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