万蔵寺(読み)まんぞうじ

日本歴史地名大系 「万蔵寺」の解説

万蔵寺
まんぞうじ

[現在地名]弘前市西茂森町一丁目

西茂森にししげもり町禅林街三十三ヵ寺の一つ。長勝ちようしよう寺を主座とする上寺のなかにある。梅林ばいりん寺と福寿ふくじゆ院の間に位置。唐糸山と号し、曹洞宗本尊毘沙門天。もと耕春こうしゆん院末寺。開山江泉。開基は鎌倉幕府執権北条時頼とするが不詳。

津軽一統志」は曹洞縁起誌万蔵寺之篇を引いて、次のように記している。北条時頼の愛妾唐糸は他の妾たちの嫉妬をかい、藤崎ふじさき(現南津軽郡藤崎町)に移された。その後最明寺入道時頼廻国の話を聞き、容色の衰えた自分自身を恥じ、自ら石を抱いて入水した。時頼はこれを悲しみ護国ごこく寺を建立したという。

万蔵寺
まんぞうじ

[現在地名]斐川町坂田

坂田さかだ南西を流れる万蔵寺川左岸に位置し、川名は当寺の名に由来する。地福山と号し、曹洞宗。本尊延命地蔵。毘沙門天・不動明王などの仏像を安置する。「出東村誌」によると、天正一九年(一五九一)梅徳泰厳の開基で、伯耆国定光寺じようこうじ(現鳥取県倉吉市)の定光寺八世龍学道門を招請して一世とした。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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