朝日日本歴史人物事典 「三上千那」の解説
三上千那
生年:慶安4.4.17(1651.6.5)
江戸前・中期の俳人。名は明式。別号,官山子,千那堂官江,蒲萄坊。近江堅田(滋賀県大津市)の人で,真京本福寺11世住職。俳諧は大津の江左尚白に学び,貞享2(1685)年は『野ざらし紀行』旅中の松尾芭蕉に入門。以後,近江蕉門の中心人物として,『猿蓑』などで活躍。しかし芭蕉晩年の風調「かるみ」を理解できず,芭蕉との間に感情的齟齬が生じ,作品の質も落ちていく。宝永,正徳(1704~16)のころには,親鸞の遺跡巡拝の旅へ赴き,『白馬蹄』『白馬紀行』を著した。<参考文献>尾形仂「三上千那,水田正秀」(明治書院『俳句講座』3巻)
(楠元六男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報