三代御記(読み)さんだいぎょき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「三代御記」の意味・わかりやすい解説

三代御記
さんだいぎょき

宇多(うだ)・醍醐(だいご)・村上(むらかみ)3代天皇の日記の総称。宇多天皇の『寛平(かんぴょう)御記』はもと10巻。早く散逸したが、江戸中期に逸文を集めたものがある。醍醐天皇の『延喜(えんぎ)御記』はもと20巻。これも散逸し逸文を集めたものしか伝わっていない。村上天皇の『天暦(てんりゃく)御記』はもと30巻ほどあったといわれるが、現在断簡1巻と逸文集が伝わるにすぎない。3代天皇は9世紀末、10世紀後半の天皇で、律令(りつりょう)時代から摂関政治への転換期に在位し、政治史上重要な役割を演じたので、その日記の逸文はこの時期に照明を与える貴重な史料である。

[黛 弘道

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android