三国間輸送(読み)さんごくかんゆそう

精選版 日本国語大辞典 「三国間輸送」の意味・読み・例文・類語

さんごくかん‐ゆそう【三国間輸送】

  1. 〘 名詞 〙 外貨獲得外国への進出などのために、自国の船を使って外国と外国との間の輸送をすること。

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改訂新版 世界大百科事典 「三国間輸送」の意味・わかりやすい解説

三国間輸送 (さんごくかんゆそう)

自国貿易航路以外のいわゆる外国間の貿易航路における輸送活動をいう。いいかえれば,貿易当事国以外の国に登録されている船舶による輸送形態を指す。このような三国間輸送活動は,一般にノルウェーギリシアオランダに代表されるように,自国貿易量に対比して大規模な商船隊を保有する国の船舶運航に典型的に観察されるが,日本,イギリス,アメリカなどの大規模な貿易量を示す国の商船隊も,相当量三国間輸送に従事している。三国間輸送における運賃収得はすべて外国荷主の支払う外貨の受取になるので,他に格別の輸出産業をもたず海運業を重要な輸出産業としている海運国にとっては,きわめて重要である。しかし,国際競争および国際分業の理論的帰結であるこの三国間輸送活動は,第2次大戦後の世界海運において自国貨自国船主義という保護主義思想の高まりのため,しだいに圧迫を受けている。
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