朝日日本歴史人物事典 「三宅丞四郎」の解説
三宅丞四郎
生年:天保3(1832)
福井絹織物業の技術改良を推進した機業家。丞大夫の3男。幼名嘉蔵。祖父の代に坂井郡三宅村(福井市)から福井に出て織物業を始めたと伝える。早く大坂で商売に従事し帰郷後父業を継ぐ。安政6(1859)年開設の福井藩物産惣会所のうち絹織物の元締役となる。明治1(1868)年惣会所の帳面方に「三宅丈太夫」の名があるが,なお関係は明らかでない。功績は「特に綜絖ニカタン糸ヲ用フルコトヲ発明」したことにあるという。同32年建立の機業碑に「祖先の志を継ぎ,畢生の精力を織業に竭し」羽二重を日本第2位の輸出品とした「功労は赫顕なり」とある。<参考文献>三上一夫『公武合体論の研究』,『福井県自治民政資料』
(隼田嘉彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報