朝日日本歴史人物事典 「三宅董庵」の解説
三宅董庵
生年:文化11.4.23(1814.6.11)
江戸後期の蘭方医。名は 春齢,字は八千。董庵は号。広島藩家老上田家の侍医。嘉永2(1849)年蘭館医モーニケのもたらした牛痘を同年9月に入手,広島地方で初めて種痘施術した。禁制・迫害を受けつつも種苗培養し,その種痘者は1万人におよんだ。また安政4(1857)年の子宮外妊娠症例論争では,従来の医方に対して洋学の優位性を実証し,医療のみならず思想面でも革新的影響を与えた。<参考文献>芸備医学会『三宅董庵先生小伝』,広島県史『近世資料篇』Ⅵ,江川義雄『三宅春齢(董庵)の事績について』
(江川義雄)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報