三輔黄図(読み)さんぽこうと(その他表記)Sān fǔ huáng tú

改訂新版 世界大百科事典 「三輔黄図」の意味・わかりやすい解説

三輔黄図 (さんぽこうと)
Sān fǔ huáng tú

中国,長安(現,西安)を中心にその近郊に位置する三輔京兆尹(けいちよういん),左馮翊(さひようよく),右扶風(ゆうふふう))の地域の,主として漢代の古跡を記述した地理書。宮殿苑囿えんゆう),陵墓などの来歴を述べ,ときにそうした場所にまつわる伝説も引用される。筆者は不明。原本は南北朝期にできたと考えられるが,中唐以降の付加になる部分もある。テキストには,古書の引用で現行本を対校したものがいくつかあるが,陳直《三輔黄図校正》が最も新しい成果である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android