三輔黄図(読み)さんぽこうと(その他表記)Sān fǔ huáng tú

改訂新版 世界大百科事典 「三輔黄図」の意味・わかりやすい解説

三輔黄図 (さんぽこうと)
Sān fǔ huáng tú

中国,長安(現,西安)を中心にその近郊に位置する三輔京兆尹(けいちよういん),左馮翊(さひようよく),右扶風(ゆうふふう))の地域の,主として漢代の古跡を記述した地理書。宮殿苑囿えんゆう),陵墓などの来歴を述べ,ときにそうした場所にまつわる伝説も引用される。筆者は不明。原本は南北朝期にできたと考えられるが,中唐以降の付加になる部分もある。テキストには,古書の引用で現行本を対校したものがいくつかあるが,陳直《三輔黄図校正》が最も新しい成果である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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