三部制興行(読み)さんぶせいこうぎょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三部制興行」の意味・わかりやすい解説

三部制興行
さんぶせいこうぎょう

現代の生活のテンポに合わせ,短時間の芝居を1日に3本上演する,歌舞伎文楽の興行方式。江戸時代は歌舞伎も人形浄瑠璃も,早朝に始まる1日がかりの形態だった。昼夜別々の演目を上演する二部制が始まったのは明治初期で,大劇場では大阪が 1885 (明治 18) 年朝日座,東京では 1923 (大正 12) 年帝国劇場が採用したのが初め。以後,各劇場で採用され,戦後はこの形態が常識となった。三部制はこの動きをさらに推し進めたもので,文楽では国立劇場が 81年に「近松名作集」として三部制を実施して以来,毎年2月が恒例となり,歌舞伎では 85年秋に歌舞伎座が試みて話題を呼んだ。

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