上図師村・下図師村(読み)かみずしむら・しもずしむら

日本歴史地名大系 「上図師村・下図師村」の解説

上図師村・下図師村
かみずしむら・しもずしむら

[現在地名]町田市図師町・忠生ただお

木曾きそ村・山崎やまさき村の北にある。史料上は上下図師村の二ヵ村として記されるが、一村として扱われることも多い。上下二ヵ村の境は村の中央を流れる小山田おやまだ川。村の西、下小山田村より入って野津田のづた村に達する江戸道(津久井道)山崎村より入って小野路おのじ村に達する往還大山おおやま道が通る。中世は小山田庄内と推定される。図師とは田図作製を職掌とする技術者。同庄の図師の給田から起こった地名であろう。「風土記稿」に、白山権現の社地を図にするのに巧みであった図師の法印という僧の呼名に由来するというのは後の付会とみられる。「廻国雑記」に文明一八年(一四八六)の冬、「半沢といへる所にやどりて、発句、水なかは沢へをわくやうす氷」と詠んだのは、当村の半沢はんざわである。市内下小山田町の薄井家の薄井系図に、天文七年(一五三八、同一五年の誤りか)、小山田村薄井信治・同村竹之内久永・図師村河井勝朝・野津田村渋谷高治など村々の郷士三一五騎が図師村合野あいの原に集り、川越合戦の残党の乱暴を防いだとある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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