上天妃宮跡(読み)かみてんぴぐうあと

日本歴史地名大系 「上天妃宮跡」の解説

上天妃宮跡
かみてんぴぐうあと

[現在地名]那覇市久米一丁目

近世の久米村くにんだ南西部にあった廟。地元ではウィーテンピグーとよび、上之天后宮・上天妃廟ともみえる。現天妃てんぴ小学校に隣接して石造の拱門だけが残る。天妃は船舶航海安全を祈願した女神で、中国の媽祖信仰に由来する。南方に下天妃宮があり、二宮を合せて単に天妃宮ともよぶ。間切集成図に上天妃・下天妃とみえる。創建は下天妃宮より後で、「琉球国由来記」では宣徳―正統年間(一四二六―四九)の創建とされる。景泰八年(天順元年、一四五七)銘の鐘が寄進された。崇禎元年(一六二八)当宮の前に竜王りゆうおう殿が建てられたが、これはもと三重みえ城にあったものを移設したと思われる(「琉球国碑文記」、「球陽」尚巴志王三年附条)。「球陽」尚質王一一年(一六五八)条によれば、天妃宮で暁暮に時刻を知らせる鐘をつくことが定められている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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